老化防止のためのファッション

エッセイ

年末年始に1年ぶりに祖父母に家に帰った。
そこで1つ驚いたことがある。
おばあちゃんの髪色がピンク色になっていたのだ。



ピンクと言ってもビビットカラーではない。
桜色のピンクだ。
以前は白髪だったのだが、いつの間にか染めたようだった。
はじめは驚かされたけれど、桜色は不思議と似合っていた。

因みにおばあちゃんはもう80歳を過ぎている。
耳が遠くなったり、行動がゆっくりになっていたりと、やはり年齢による衰えは隠せない。
だけど明るく元気で、私は逆にパワーを貰ったくらいだ。

晩ご飯を食べ終えた後に、私は何気なく聞いてみた。
「どうやったらおばあちゃんみたいに元気で過ごせるかな?」

「おしゃれをしてるからだよ。」
その説得力足るや、とても納得できた。
老化防止のためにファッションを楽しんでいる。
勿論自分自身も好きで楽しいのだろう。
とても似合っているね、と声をかけるとおばあちゃんはとても嬉しそうに笑ってくれた。

桜色の髪はなんとなく渋谷の若者にしか見られないという偏見があった。
しかし、地方で暮らす私のおばあちゃんが桜色の髪をしている。
ちょうど同系色のカーディガンを羽織っていたこともあったからだろうか。
本当に似合っていた。
そしておばあちゃんは元気だ。

おばあちゃんなりに色々と思考を巡らせて、現在のファッションをしているのだろうと思った。
頭を使っているから元気が出て、若々しくいられるのだろうか。

そう言えばおばあちゃんは趣味がある。
手芸だ。
ティッシュケースやスリッパを編んでくれた。
鍵のケースをくれたこともある。
手先が器用で色々と取り組んでいる。
この辺りも老化防止に何か関係がありそうだ。

どんなに若い人でも、老化防止はきっと誰もが頭の片隅で考えたことがあるテーマだと思う。
老化防止のためのファッション。
運動よりもよっぽど手軽に、楽しみながら取り組めて最高だと思った。

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