「桐島、部活やめるってよ」「何者」「正欲」など数々の代表作を世に生み出してきた朝井リョウさん。
私が一番好きな作家さんだ。
恐らく一番朝井リョウさんの本を読んでいると思う。
10冊以上は読んだ。
(村上春樹さんも負けてはいない。)
そんな私が考える朝井リョウさんの本の魅力を3つまとめてみた。
少しでも興味を持ってくれたら嬉しい。
そしてコメントをいただけると凄く嬉しい。
風刺画のような強いメッセージ性
あなたの生き方はこのままでよいのか、、、
そう思わせてくれるのが朝井リョウさんの魅力だ。
風刺画のように強く訴えかけてくるものがある。
主人公がある1つの大切な考えを持っている。
それは読者も共感できるものだ。
しかし、主人公と正反対の考えを持つ登場人物によって、自分の考えの弱点が浮き彫りになってしまう。
主人公が絶望するのと同時に、読者である私達自身も「今の自分で良いのかな、、、」と心のざわつきが止まらなくなる。
そんな特徴が出ている1冊が「ままならないから私とあなた」だ。
無駄なことをひたすら省き、合理性を追求する天才少女薫と、
無駄な事にこそ人の温かみが宿ると考える雪子。
幼き頃から親友である二人のすれ違う友情、人生を描いた小説だ。
新しいものを取り入れていく幼なじみによって昔から変わらないでいた自分の考えが揺るがされていく。
仲良しで共通点もあるのに、少しずつかみ合わなくなる2人。
物語の後半になるにつれて大きく動く2人の関係性と読者である私の気持ち。
風刺画のように、朝井リョウさんの小説を読むと、
変わらない自分のままで良いのかなと心のざわつきが止まらなくなります。
先の展開が気になるリズム感
朝井リョウさんの本は読みやすい。
だから読書が苦手な人に特におすすめだ。
なぜ読みやすいのか。
それは小説で登場したものを、繰り返し体言止めを利用して表現しているからだと思う。
そのことでリズム感が生まれている。
特に登場人物が自分の過去を振り返る場面。
これまでに出てきた印象的なものがどんどん繰り返し出てくる。
体言止めだと助詞がない分、文字が少なくなる。
さらにこれまでに見た単語なので、文字の認識力が上がる。
すると読書スピードが上がり、テンポ良く読めるのだ。
小説の世界感への想像も膨らみ、リズミカルに本が読める。
疾走感はとても気持ち良い。
一つの出来事を多面的に捉える豊かな発想力
世の中で怒る様々な出来事対して自分達は何かしらの意見を持つ。
私は1つのことが多いし、私の意見が正しいと思っている。。
しかし異なる過去を持つ友達と議論をすると、人の数だけ意見が生まれる。
そしてどれもきっと正しい。
朝井リョウさんの小説では「出来事は1つでも、捉え方は無限大」ということに気付かされる。
1つの出来事を共有する複数の登場人物の視点から描かれる作品がある。
歩んできた過去や経験が異なると、同じ出来事でも様々な意見が出る。
「スペードの3」はその代表だ。
ある劇団のファンクラブを中心に描かれた小説だ。
劇団員・劇団ファンクラブの代表・新入会員の3人の心情を読み解くことができる。
私の日常生活では私自身の気持ちしか知らないので、いつも自分が正しいと思い込んでしまう。
しかし実際は人の数だけ意見があるし、それぞれの正義がある。
このことに気付かされるのが朝井リョウさんの本で、柔軟な考えが人の数だけ反映されていて面白い。
普段は目に見えない他人の感情を、答え合わせしている感覚で読むことができる。
おすすめの人
私は朝井リョウさんが凄く好きだ。
私なりにおすすめの人を考えてみた。
・今の自分に満足していない人
・読書が苦手な10~30代
・他人の気持ちが気になる人
新刊が楽しみだ。
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