ルフィの仲間力 【書評・感想】~旗を掲げる~

読書

社会人になって人に質問する機会が増えた。
わからないことが多すぎるからだ。

自分一人で抱えていても何も進まない。
事務的な手続きであれば、すぐに質問する。
技術的な問題であれば、自分なりの意見を少しまとめて質問する。
やっぱり質問するのだ。

会社の先輩の力を借りないとだめだな。
そんなことを日々感じ、図書館で目についたのが、「ルフィの仲間力」だ。

ONE PIECEの主人公、ルフィのように求心力のある人ならば、もっと楽しく仕事ができるのではないか。

だから借りることにした。
そして、大学の教授がONE PIECEを分析しているということにも興味をもった。
いわゆるエリートの人は、マンガをどのように捉えているのだろうと気になった。

仲間を作るために

ルフィには麦わらの一味という最高の仲間がいる。
この“仲間”とは本書では「一人では叶えられない夢を共有する人」と定義している。

だから、仲間を作るために、”夢の共有”は絶対条件となる。
私の苦手分野だ。

理由は単純。恥ずかしいからだ。
夢や目標はたくさんあっても、公表することができない。

まず、夢自体を笑われる可能性がある。
「そんなレベルのことを夢としているの!?」

レベルが高いor低いどちらの場合もある。
不相応なことなことは恥ずかしい。

次に、夢を達成できなかった時に笑われる可能性がある。
自分が本気で取り組んで、成し遂げられなかった時の無力さや惨めさ。
想像したくない。

ルフィにもこの経験があるはずだ。
物語が始まった序盤。
海賊王になると言うと村では「なれるはずがない」と笑われている。

そして海賊王という夢。
内閣総理大臣になる、くらい大きな夢なのではないだろうか。
いくらルフィでも達成できない可能性は充分にある。

しかし、ルフィに周りの評価や自分の可能性を気にする素振りは一切ない。
自分の想いを第1優先に活動しているだけだ。
自分の旗を掲げ続けた。
そこに迷いがないからなおさらかっこいい。

すると徐々に最高の仲間ができあがったのだ。
麦わらの一味だ。

私はこれまでの学生生活で仲間を作り損ねた感覚になった。

友達はそれなりにできた。
学校という枠の中で受験や部活という共通の目的を持つことで、自然とできあがった。

しかし、仲間はどうだろう。
私が声を上げてなにか旗を掲げていたら、自分の所属する枠からはみ出た人に応援して貰えていたのかもしれない。

もったいないことをしたと思った。
だから会社でも、自分のやってみたいことは誰かに伝えとく方が良い。
仲間ができるからだ。

同じ旗でなくても良い

麦わらの一味には興味深い所がある。
それは「皆が同じ夢を持っている」わけではないことだ。

ルフィの「海賊王になる」夢を共有している。
同時に各々が異なる夢を持つ。

サンジは伝説の海、オールブルーへ行くこと。
ロビンは空白の100年の謎を解き明かすこと。

かなり分野が異なる。
しかし、ルフィの夢が叶うと同時に仲間の夢も叶う。
ルフィも仲間がいることではじめて海賊王への夢へ挑むことができる。

仲間それぞれの夢は全員が揃ってこそ実現できる。
相乗効果があるのだ。

私達の世界でも、各々が夢を掲げてさえいれば、種類は何だって良い。
完全に合致することはないかもしれないけれど、夢を追っているという共通点だけで一体感が生まれると思う。

おわりに

マンガの解説本は面白かった。
特に好きなものだったし、場面が想像できる。

マンガだからこそ学べる所がある。
マンガ=悪、みたいな見解もあるけれど、悪いことばかりじゃないと思う。

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